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クレジットカード現金化すると自己破産ができなくなる?

クレジットカード現金化は自己破産できない?

クレジットカード現金化 自己破産

「クレジットカード現金化で自己破産できないって本当?」そう悩んでいる方はいませんか?

自己破産は不動産や車などの財産は処分することになるものの、手元に20万円の現金を残しつつ債務整理(債務を0にできる)強力な方法です。

非常に便利な債務整理方法であるものの、ギャンブルや浪費が原因の場合は免責不許可事由となり免責が認められないことがあります。

実は、この免責不許可事由にクレジットカード現金化も含まれるのです。それでは、やはり、クレジットカード現金化で自己破産はできないのでしょうか。

この記事では、クレジットカード現金化と自己破産の関係について解説していきます。

この記事を書いた人

当メディア編集長。現金化に関する情報を発信しています。この記事ではクレジットカード現金化をすると自己破産ができないのか?という事について書いています。

この記事の目次

クレジットカード現金化すると自己破産ができなくなる?

クレジットカード現金化を行うと、自己破産の際に高いリスクが発生します。なぜならば、自己破産を行うには免責の許可を得て借金の支払い義務を免除してもらう必要がありますが、クレジットカード現金化は免責不許可事由にあたるため、免責を得られない可能性があるためです。

自己破産を行う際に免責が得られないのであれば、借金の支払い義務はなくならいので自己破産を行う意味がありません。しかし、実際にはクレジットカード現金化を行うことは、必ずしも自己破産が行えなくなるとは言い切れないのです。

ここでは、クレジットカード現金化と自己破産の関係性について解説していきます。

クレジットカード現金化は免責不許可事由に該当するので自己破産できない

自己破産の目的は免責の許可を得て借金の支払い義務を免除してもらうことであり、端的に言えば免責を得ることで借金が0になると考えても差し支えありません。しかし、一方で破産法では免責不許可事由というものがあり、ある事情がある場合は免責が許可されない事項が列挙されています。

免責不許可事由に該当する事項には様々なものがありますが、クレジットカード現金化に関連するものでは以下のような規定があります。

破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。

引用:破産法第252条1項2号

上記の事項をクレジットカード現金化にそれぞれ当てはめると、以下のような解釈が可能です。

クレジットカード現金化免責不許可事由の解釈

・「破産手続の開始を遅延させる目的で」:金融機関での借り入れが困難であるにも関わらず、クレジットカード現金化で自己破産を先送りにした
・「著しく不当な条件で債務を負担し」:高値で買い安値で売る(クレジットカード現金化)商取引として合理性のない取引をした
・「又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと」:クレジットカード現金化そのものと言える

以上のような解釈ができるため、クレジットカード現金化を行うと免責不許可事由の条件を満たしていると判断ができ、自己破産を行っても免責の許可が得られないと考えることができます。

ただし裁量免責を得られれば自己破産が可能

クレジットカード現金化は、免責不許可事由の条件を満たしていると判断することができるので、自己破産が行えない可能性が高いと言えます。ただし、自己破産には「裁量免責」という制度が設けられているので、裁量免責が認められればクレジットカード現金化でも自己破産が認められる場合があるのです。

「裁量免責」とは、クレジットカード現金化のような免責不許可事由に該当する事情があっとしても、裁判所の裁量で免責を認める制度

そのため、クレジットカード現金化を行ったから自己破産ができないわけではありません。例えば、以下のようなケースであれば、裁判所で裁量免責が認められやすいと考えられます。

裁量免責が認められやすい項目

・初めて自己破産を行う
・クレジットカード現金化の事実を正直に裁判所に申請した
・クレジットカード現金化の金額が少額である
・クレジットカード現金化を行った回数が少ない
・自己破産申立て時期よりも随分前にクレジットカード現金化をした
・最初から管財事件を前提とした自己破産申立を行った
・生活態度を改めた状態である
・他に問題行動がない

実際に免責不許可事由があっても、多くのケースで裁量免責が認められているのです。そのため、クレジットカード現金化を行っていたとしても自己破産の可能性はあるので、諦めず弁護士等に相談するようにしましょう。

裁量免責が認められてもリスクはある

クレジットカード現金化を行っていたとしても、裁量免責が認められる可能性はあります。しかし、その一方で管財事件になりやすいリスクがあるのです。

自己破産には大きく分けて破産管財人が選任されされない同時廃止と破産管財人が選任される管財事件があり、それぞれに以下のような違いがあります。

自己破産手続きの種類 適用されるケース 手続きの簡単さ 破産管財人選任の有無 免責決定までの期間 費用
同時廃止 財産が殆どない人に適用 簡易な手続き なし 2ヶ月~3ヶ月 1万5000円程度
管財事件 一定の財産がある人に適用 手続きが面倒 あり 5ヶ月~9ヶ月 20万円程度

同時廃止は財産が殆どな人に適用される自己破産手続きで、破産管財人の選任がなく破産手続き開始とともに手続きが廃止・終了する簡易な手続きです。免責決定まで2ヶ月~3ヶ月程度の期間が必要になり、費用も安く済みます。

一方、管財事件(少額管財)は一定の財産がある人に適用される手続きで、破産手続き開始とともに破産管財人が専任され、裁判所で開かれる債権者集会への出席が必要です。

また、破産管財人へ予納金として20万円程度の費用を支払わなければならず、免責決定まで5ヶ月~9ヶ月の期間がかかるので債務者にとって負担となることでしょう。

特に、悪質な免責不許可事由がある場合、財産がなくても管財事件になりやすい傾向が高いです。クレジットカード現金化が必ず管財事件に繋がるとはいい切れませんが、そういったリスクを孕んでいることは理解しておきましょう。

裁量免責が認められなかったら即時抗告を行う

クレジットカード現金化で自己破産を申請した際、裁量免責が認められず免責不許可の決定が下されたら、裁判所に即時抗告の不服の申告を行えば再度免責の判断をしなおしをしてもらえます。

また、即時抗告によって免責不許可の判断が覆らない場合は、地方裁判所のさらに上級の高等裁判所へ即時抗告を行えば再審理が可能です。

ただし、即時抗告で免責不許可の決定が覆る可能性はさほど高くありません。しかし、可能性はゼロではありませんので、裁量免責が認められない場合は即時抗告を行うのが得策と言えるでしょう。

なお、即時抗告は免責不許可決定の裁判書からの通知から1周間以内に行う必要があります。時間的な猶予はあまりないので、裁量免責が認められなかったら直ぐに手続きを行うようにしましょう。

また、高等裁判所でも免責不許可が覆らなかった場合は、任意整理などの別の手段を検討しましょう。

弁護士への相談・依頼

クレジットカード現金化で自己破産する際には、ます弁護士に相談するところから始まります。面談では現在の借金残高の他、収入・月々の返済額・債権者の数等を伝え、債務整理として自己破産が妥当であるか判断してもらいましょう。

クレジットカード現金化で自己破産が妥当であると判断されれば、弁護士と任意契約を結び正式に自己破産の手続きを依頼します。なお、自己破産は司法書士に依頼することも可能ですが、代理できるのは書類作成までとなっており裁判所の手続きは自分で行わなければなりません。

そのため、クレジットカード現金化で自己破産する場合、弁護士に依頼するケースが殆どです。また、弁護士に自己破産を依頼する場合、裁判費用の総額は以下の通りとなります。

自己破産の種類 裁判所費用 弁護士費用 総額
同時廃止事件 約1~3万円 約50万円 約50万円
少額管財事件 約20万円 約50〜60万円 約70~80万円

クレジットカード現金化による自己破産の裁判費用総額は、50万円~80万円程度の費用が必要です。ただし、依頼時に全額用意する必要はなく、分割払いに応じてくれるケースがおおくなっています。

また、場合によっては法テラスに依頼することもできるので、その場合は支払いが免除されることもあります。

クレジットカード会社に受任通知の送付

弁護士にクレジットカード現金化による自己破産を依頼すると、即日~7日程度で債権者(クレジットカード会社)に対して受任通知の送付が行われます。受任通知とは弁護士が債権者に代わり債務整理を行う旨を知らせる通知で、これにより毎月の返済をストップさせることが可能になります。

そのため、原則として通知を受けた債権者(クレジットカード会社)は、貸金業法第21条の規定により債権者への取り立てが行えません。また、自己破産の手続き完了までの期限は設けられていないので、受任通知の送付により返済がストップすれば自己破産の書類作成に余裕を持って取り組めるようになります。

自己破産申立書類の作成

受任通知の送付が完了した後は、裁判所に自己破産を申し立てるための申立書類の作成を行います。自己破産申立書類は裁判所によって書式が異なるので、提出する裁判所の書式に倣って作成を行います。

自己破産申立書類の作成は弁護士が行いますが、住民性や源泉徴収票などは自分で用意する必要があります。自己破産申立書類作成時に必要な書類は、以下の通りです。

自己破産申立書類作成時に必要な書類

・自己破産申立書
・陳述書・報告書
・債権者一覧表
・住民票
・給与明細(2~3ヶ月分)
・源泉徴収票(1年分)
・家計簿(1~2ヶ月分)
・預金通帳のコピー(1~2年分)
・財産目録
・その他、状況に応じて必要な書類(車検証・自動車税の証明書類・不動産登記簿謄本・固定資産評価証明書など)

自己破産申立書類作成時に必要な書類は多くなっており、かつ正確な記載を行う必要があるので、全ての書類を用意するには2〜3ヶ月程度の期間が必要であると考えておきましょう。

裁判所へ破産手続き申立て

自己破産申立書類がすべて揃ったら、所轄の裁判所へ自己破産(破産手続き)の申立てを行います。提出する裁判所は、自身(債務者)の居住区を管轄する地方裁判所です。

各地の裁判所一覧

自己破産の手続きを弁護士に依頼している場合は、弁護士によって申立書類の提出・引継予納金など裁判所費用支払いが行われるので、申立者が行うことは基本的にありません。

裁判所にて破産審尋を受ける

裁判所へ破産手続き申立てを行うと、しばらくして裁判所で破産審尋と呼ばれる審尋が開かれます。破産審尋は破産手続開始決定の妥当性を判断するために開かれるものなので、自己破産に至る経緯や免責不許可事由の有無等を確認されます。

審尋の結果、自己破産の要件を満たしていたら破産手続き開始決定が下され、破産手続きが開始されます。破産審尋は弁護士が代理人として出席すれば、債権者の出席は基本的に必要ありません。

ただし、破産審尋を行わない裁判所も多くあります。なお、破産審尋の開始は破産手続き申立てを行ってからおよそ1ヶ月後です。

また、管轄の裁判所場東京地方裁判所である場合、即日(早期)面接制度により申立て当時~3日以内に行われます。

破産手続き開始決定

破産審尋の結果、支払い不能であると判定されると破産手続きの開始が決定されます。決定のタイミングは破産審尋後のおよそ1週間ですが、即日(早期)面接制度が適用される場合は当日に行われることもあります。

クレジットカード現金化で自己破産を行う際には、免責不許可自由や財産状況によって以下の手続きがとられます。

自己破産手続きの種類 内容 適用されるケース 破産管財人選任の有無 免責決定までの期間 費用
同時廃止 破産手続きが開始と同時に終わる手続き 財産が殆どない人に適用 なし 2ヶ月~3ヶ月 1万5000円程度
少額管財事件 手続きが一部簡略化された管財事件 一定の財産がある人に適用 あり 5ヶ月~9ヶ月 20万円程度

なお、前述の通りクレジットカード現金化を行った場合でも必ず免責不許可となる訳ではありませんが、管財事件になる可能性も高いです。そのため、クレジットカード現金化の回数・金額が警備の場合は同時廃止で申立を行うケースもありますが、実際には少額管財事件として自己破産申立てを行うケースが多くなっています。

破産手続き開始が決定されると、裁判所から債務者に書面が送付される他、官報に自己破産を行った事実が公告されます。

意見申述期間(同時廃止の場合)

同時廃止によって破産手続きの開始が決定されると、その後約2ヶ月の間に意見申述期間が設けられます。期間中、債権者が債務者に対して意見を申述することが可能になり、免責に対して反対意見があった場合は裁判所で免責許可の判断の際に参考にされます。

特に意義がない場合は期間経過後約1週間で免責許可決定がなされ、その後しばらくして免責許可が確定し手続きが終了します。なお、意見申述期間の具体的な期間は破産法第251条で1ヶ月確保することが定められていますが、一般的には2ヶ月程度となっています。

第1項 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。

第3項 第1項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。

引用:破産法第251条

財産の調査・換価処分(管財事件・少額管財の場合)

管財事件・少額管財により破産手続きが始まると、破産管財人が選任され債務者の財産調査を行います。

「破産管財人」とは、破産手続きにおいて破産財団に属する財産の管理・処分を行う権利を有する者をいう(破産法2条12項)。また、免責の妥当性を判断する調査も行う。

調査方法は提出書類・預金通帳・取引明細書の確認・各金融機関への情報照会など多岐に渡り、債務者は破産管財人から聴取も行われます。調査終了後は、価値のある財産は換価処分されます。

換価処分の対象となる財産は以下の通りです。

換価処分の対象となる財産

・不動産(持ち家・土地など)
・自動車
・預金
・20万円以上の財産(時価評価額)

なお、財産の調査・換価処分の期間は、管財事件で2〜3ヶ月程度、少額管財で1〜2ヶ月程度となっています。

債権者集会・配当(管財事件・少額管財の場合)

財産の調査・換価処分が行われた後は、自己破産の申立てをした裁判所で債権者集会が実施されます。債権者集会では破産管財人により、債権者に対して財産の処分結果・免責の可否についての報告が行われます。

その後、債権者・裁判官から質疑応答が行われ、特に問題がなければ数分で終わる場合もあります。債権者集会には、裁判官・破産者・破産者申立代理人・破産管財人・債権者などが参加できますが、債権者の出席は稀であるため実質的に破産管財人と裁判官の打ち合わせにような形式になるのが一般的です。

債権者集会終了後は、裁判所の承認済みの配当計画に基づ債務者への配当が行われます。債権者集会・配当に関わる期間は、少額管財で1ヶ月〜3ヶ月程度です。

免責審尋

債権者集会・配当が完了した(同時廃止の場合は自己破産手続き終了後)1ヶ月〜2ヶ月後には、免責審尋が行われます。債務者は免責審尋出席する必要があり、裁判官から以下のような質問をされます。

免責審尋における質問

・住所・氏名などの確認
・免責制度の趣旨を理解しているるのか
・破産に至る原因をどのように理解しているか
・生活再建に対する心構え
・債権者に対して迷惑をかけたことをどう考えているか
・ギャンブル・浪費が原因である場合は反省しているかどうか
・免責不許可事由の有無

基本的に自己破産申立てに基づいて質問されるので、正直に質疑応答すればなんの問題もありません。事前に弁護士と相談することも可能なので、免責不許可事由になるクレジットカード現金化が原因の場合は予めアドバイスを受けておくといいでしょう。

免責審尋終了後は、裁判所から免責許可・不許可が言い渡され、免責許可の場合は1ヶ月程度で免責許可決定確定となり、クレジットカード現金化の自己破産手続きが完了し正式に借金返済の義務が免責されます。

クレジットカード現金化で自己破産するまでの期間

クレジットカード現金化で自己破産を行う期間は、手続きの種類によって異なりますが概ね以下のようになります。

自己破産の手続きの種類 弁護士への依頼~受任通知 自己破産申立て書類作成 破産申立て~破産手続開始決定 財産の調査・換価処分~免責決定 免責確定 自己破産までにかかる期間
同時廃止事件 即日~数日程度 2ヶ〜3ヶ月程度 1ヶ月程度 1ヶ〜2ヶ月程度 1ヶ月程度 5ヶ〜7ヶ月程度
少額管財事件 即日~数日程度 2ヶ〜3ヶ月程度 1ヶ月程度 2ヶ〜3ヶ月程度 2週間〜1ヶ月程度 6ヶ〜8ヶ月程度
管財事件 即日~数日程度 2ヶ〜3ヶ月程度 1ヶ月程度 4ヶ〜7ヶ月程度 2週間〜1ヶ月程度 8ヶ〜1年程度

同時廃止の場合、財産が少なく破産管財人による財産換価処分・配当がないため、5ヶ〜7ヶ月程度で免責が確定します。一方、財産が多い場合は管財事件となるので期間は8ヶ〜1年程度です。

しかし、少額管財事件となれば財産の調査・換価処分・債権者集会を簡略化できるので、6ヶ〜8ヶ月程度で免責が確定します。

クレジットカード現金化で自己破産をする場合、その手続が選択されるかはケースバイケースなので、弁護士に相談して見定めましょう。

クレジカード現金化で自己破産した際の注意点

クレジカード現金化で自己破産する際には、以下の点に注意が必要です。

  1. 引っ越しには裁判所の許可が必要
  2. 自由な旅行の制限
  3. 官報に自己破産の旨が公告される

普段の生活や仕事に影響するケースもあるので、予め確認しておく必要があります。それでは、それぞれについて解説していきます。

職業・資格の制限を受ける

クレジットカード現金化で自己破産を行う場合、以下の職種・資格が必要な業務に従事している方は自己破産手続き中に業務を停止する必要があります。

自己破産手続き中制限を受ける職種

・貸金業の登録(貸金業法律第6条)
・教育委員会の委員(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条、第9条)
・行政書士(行政書士法第2条の2)
・銀行の取締役・執行役・監査役(銀行法第7条の2 )
・警備員(警備業法第14条)
・警備業者(警備業法第3条)
・公安審査委員会の委員長および委員(公安審査委員会設置法第7条、第8条)
・公証人(公証人法第14条)
・公正取引委員会の委員長および委員(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第31条)
・公認会計士(公認会計士法第4条)
・国家公安委員会の委員(警察法第7条)
・質屋営業の許可(質屋営業法第3条)
・司法書士(司法書士法第5条)
・社会保険労務士(社会保険労務士法第5条)
・商工会議所の会員(商工会議所法第15条)
・信用金庫等の役員(信用金庫法第17条)
・生命保険外交員(募集人)(保険業法第279条、第307条)
・税理士(税理士法第4条)
・宅地建物取引士(宅地建物取引業法第18条)
・日本銀行の役員※理事を除く(日本銀行法第25条)
・不動産鑑定士(不動産の鑑定評価に関する法律第16条)
・弁護士(弁護士法第7条)
・旅行業の登録(旅行業法第6条)

制限の根拠になるのは破産法ではなく、それぞれの職業・資格に関連する法律です。なお、自己破産手続きが終了すれば、制限は解除され(復権)再び業務を行うことができます。

生命保険外交員(募集人)の場合、登録を取り消される可能性があるので注意が必要です。また、会社役員(取締役、執行役員、監査役など)の場合、自己破産を行うと役職を退任します。

なぜなならば、役員と会社間で結んでいる任意契約が自己破産で解除すると、民法第653条で規定されているからです。

引っ越しには裁判所の許可が必要

クレジットカード現金化による自己破産で管財事件になった場合、手続き中に引っ越しを理由とし居住地を離れる際には裁判所の許可を得なければなりません。

破産者は、その申立てにより裁判所の許可を得なければ、その居住地を離れることができない。

引用:破産法第37条

これは、管財事件手続き中に債務者が許可なく引っ越してしまうと、破産管財人が行う財産の管理・換価処分など業務に支障が出てしまうからです。また、自己破産手続きが開始されると、その時点で信用情報機関に事故情報が登録され所謂ブラックリストに載った状態になります。

そのため、クレジットカード現金化で自己破産後に新規に賃貸契約を結ぶ場合、信販系の賃貸保証会社を利用すると審査で家賃の支払い能力がないと判断される可能性があります。このような場合、連帯保証人をつけて賃貸契約を結ぶか、賃貸契約保証が必要ないURや公営住宅を選ぶようにしましょう。

自由な旅行の制限

クレジットカード現金化による自己破産で管財事件になった場合、引っ越しと同様に旅行に行く際にも裁判所の許可を得なければなりません。これは、国内・国外問わず宿泊を伴う旅行が対象となります。

またそれとは別に、自己破産後は信用情報機関に事故情報が登録された状態となるので、クレジットカードの利用ができません。そのため、自己破産後に旅行に行く場合は、支払いを全て現金で行う必要があります。

自己破産直後は財産の大半は没収の上で換価処分されるので、現金は最大で99万円・預貯金は20万円しか残すことができません。ですから、現実的に考えると自己破産後は当分の間は長期の旅行は行えなくなるでしょう。

官報に自己破産の旨が公告される

クレジットカード現金化で自己破産を行うと、その事実(氏名、住所、手続きの開始決定年月日など)が官報に公告されます。そのため、親族や仕事関係者に自己破産を行ったことがバレる可能性があるのです。

官報とは、内閣府が発行している国の機関紙で、法令・政府情報を記載し国民に公告することを使命としています。一見すると、自己破産を行ったことが官報に公告されることは無関係のように思われますが、自己破産の公告を行うことで情報の公開・透明性が確保されるのです。

つまり、自己破産の公告を官報に行うと破産手続きの参加・配当の機会損失を防ぐことに繋がり、債権者が破産手続きに公平に参加することができるようになります。なお、自己破産の公告は、原則として破産手続き開始決定・免責許可決定の2回です。

官報はWebサイト(インターネット版 官報)で直近90分を閲覧できる他、図書館で閲覧・官報販売所で購入することができます。基本的に誰でも官報を閲覧できますが、実際には以下のような限られた業種の人だけが目にすると言えるでしょう。

官報を閲覧する可能性がある業種

・士業(弁護士や司法書士など)
・金融業(保険会社など)
・警備業
・行政機関(税務署など)
・信用情報機関 など

親族や仕事関係者に以上の業種に関わる方がいる場合は、自己破産の事実が知られる可能性があることを念頭に置きましょう。

クレジカード現金化の自己破産手続きは自分でできる?

クレジカード現金化の自己破産手続きは自分で行うことも可能です。その場合、弁護士費用(同時廃止:約50万円)が必要ありませんので、自己破産にかかる費用を抑えることができます。

しかし、自分でクレジカード現金化の自己破産手続きを行う際には、以下の点に注意が必要です。

分でクレジカード現金化の自己破産手続きを行う際の注意点

・続き中に債権者からの督促が止まらない
・膨大な資料を全て自分で用意する必要がある
・頻繁に裁判所に足を運ぶ必要がある
・少額管財事件で自己破産の手続きが行えない
・即日面接制度の利用ができない

特に、クレジットカード現金化の自己破産では、膨大な資料を全て自分で用意しなければならないので、相当の時間・労力が必要になり個人で行うのは非常に困難です。このようなことを踏まえても、個人で自己破産を行うのは現実的ではないと言えます。

事実、自己破産を行った方の9割以上が弁護士・司法書士に依頼しているので(参考:日本弁護士連合会「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」)、クレジットカード現金化で自己破産を行う際には手続きを依頼するのが賢明です。

自己破産以外の債務整理の方法

クレジットカード現金化で債務整理するときに、自己破産以外の方法で借金を減らすには以下の方法があります。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 特定調停
  • いずれも方法も、ブラックリスト入りして5年~10年借り入れが行えませんが、債務を大きく減らすことが期待できます。それでは、それぞれについて解説していきます。

    任意整理

    任意整理とは、債権者と直接交渉し借金の利息カット・支払期間の調節を行い返済可能な範囲にする債務整理の方法です。債権者と合意に至れば利息をカットし借金の総額を減額することが可能で、返済期間の延長もできるので月々の負担を減らすことができます。

    しかし、クレジットカード現金化で債務整理する場合、債権者はカード会社になるので現金化は手数料を支払わない悪質な行為と見なされるでしょう。そのため、任意整理で手数料・利息の減額を求めても、応じてもらえる可能性は低いと言えます。

    実際に、最低でもクレジットカード現金化分の手数料の支払いは請求される可能性が高く、場合によっては話し合いに応じてくれないケースも少なく少なくありません。そのため、話合いに応じてくれなかった場合には、負債の返済をこれまで通り行う必要があります。

    個人再生

    個人再生とは、裁判所に申立てクレジットカード現金化の債務を大幅に減額してもらう債務整理の方法です。個人再生で債務整理が可能になれば、債務の元本を含め1/5や100万円にまで減額することができるので、負債が膨れ上がった場合には非常に有効な債務整理となります。

    住宅ローンがある場合は、住宅ローン特則も利用できるので非常に利便性の高い債務整理方法です。ただし、個人再生を行うには債権者の過半数で反対がないことが求められるので、複数のクレジットカードを現金化している場合は、個人再生をしても再生計画案を否決される可能性も高まります。

    ただし、カード会社の債権額が少額で人数的に過半数でないのであれば、カード会社に否決されても再生計画案を認可してもらえる場合があります。また、給与所得者等再生であれば、再生計画案について書面決議が開かれないので、カード会社が否決しても個人再生で債務整理を行うことが可能です。

    特定調停

    特定調停とは、裁判所の調停委員が間に入り債務者・債権者双方のが納得できる和解を目指す債務整理の方法です。最大のメリットは、費用(申立手数料500円+予納郵便切手430円分=930円)が安く済む点で、弁護士に依頼した場合や任意整理に比べ圧倒的費用を抑えられます。

    また、特定調停の申立てが認められると督促がいったん停止し、調停委員が間に入ってくれるので債権者側に一方的に有利な和解が成立したい点もメリットと言えるでしょう。しかし、幾つかのメリットがあるものの任意整理や個人再生でも得られるメリットであり、決定的な点は費用が安く済む点だけです。

    申立書を一式用意する手間や裁判所へ足を運ぶ労力、減額もあまり期待できない点から他の債務整理の手続きと比べてメリットが多くありません。

    クレジットカード現金化で自己破産する際によくある質問

    クレジットカード現金化で自己破産すると返済義務がなくなりますか?

    クレジットカード現金化で自己破産した際、裁判所で免責許可が出た場合は返済義務が法的になくなります。ただし、保証人を立ている場合には保証人が債務返済の義務を負うので、自己破産を行う場合は保証人の有無を確認しておきましょう。

    クレジットカード現金化で自己破産するデメリットはありますか?

    クレジットカード現金化で自己破産すると返済義務がなくなりますが、その代わりに以下のデメリットの影響を受けることになります。

    • 自己破産の事実が官報に記載される
    • 自己破産手続終了まで制限を受ける職業がある
    • 事故情報の登録(ブラックリストに載る)
    • 管財事件の場合、手続中は破産管財人に郵便物が転送される
    • 高価な財産を処分される
    • 保証人が返済義務を肩代わりする

    ただし、クレジットカード現金化で自己破産する方の全員が、以上のデメリットの影響を受けるわけではありません。

    クレジットカード現金化で自己破産できるかの基準はありますか?

    クレジットカード現金化で自己破産するためには、支払不能であることが法律上条件とされています。支払不能とは、現在の収入・財産で将来的に借金返済が困難になる状況を指しています。

    一般的に支払不能な状態とは、現在の負債総額を36ヶ月で割った金額が毎月の返済額を上回った状態であるか否かで判断されます。また、自己破産手続き自体の利用が認められても、借金の原因については免責が認められない場合があります。

    そのような場合は、少額管財によって免責が認められる可能性があり、免責自体が認められないケースは限られるるようです。

    クレジカード現金化で自己破産する際には弁護士に相談しよう

    クレジットカード現金化と自己破産の関係について解説してきました。クレジットカード現金化は、金融機関で借り入れが行えない場合には便利な資金調達方法です。

    しかし、クレジットカードで現金化した商品の返済は必要なので、計画性無く現金化を利用していると返済額が膨れ上がり支払不能に陥ります。このような場合は、弁護士や司法書士に依頼して自己破産の相談を行うことをおすすめします。

    自己破産の手続きは自分で行うことも可能ですが、書類の用意などの手間・労力が非常にかかるので現実的ではありません。しかし、弁護士・司法書士に自己破産を依頼すれば、それらの手続きを代行してくれ債務整理に尽力してくれベストな解決策を提示してくれます。

    相談料や報酬の支払いは必要になりますが、短期間で債務整理が行えるので、クレジットカード現金化で自己破産を考えているなら、まずは弁護士に相談しましょう。

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